ビルマに流刑となった、ムガル帝国最後の王、バハードゥルシャー・ザファル(1775-1862) |
私はヤンゴンに来てからというもの、
インド文化に興味津々。
ヤンゴンの街中には多様なインド文化が根付いていて、
街をふらふらしているうちに、気になり始めたんです。
ある時、ネットでヤンゴンの植民地時代の
歴史を調べていたら、こんな情報に出くわしました。
インド史上、最大にして
最期のイスラム帝国であるムガル帝国。
その最期の王ザファルは、ヤンゴンで暮らしていた。
しかもそのお墓が、
シュエダゴンパゴダのすぐそばにあると…!
ええっ。 ほんとに?
GoogleMAPで検索したら、なんと
お墓の場所がクリップされてるではないですか!
ということで、
インド好きの女友達・Tさんを誘って、
実際に行ってみました。
いざ現地に到着してみると、
オレンジ色のとても目立つ建物で拍子抜け。
王様といえど、仏教国にあるムスリムのお墓なので
ひっそりした場所をイメージしていたのですが、
行けばすぐ分かります。
とはいえ、
ムスリムモスク内にお墓はあるため
私たちが入っていいものか躊躇しましたが、入ります。
敷地内には英語とミャンマー語で
ザファルの紹介パネルがあり
観光客もウェルカムなのだなと察しました。
このお墓は90年代、
インド政府の働きかけで整備されたようです。
ムガル帝国が滅亡し、王ザファルは流刑に。
彼がラングーンに到着したのは、1858年のこと。
奥の建物では、
1人の女性が床を掃除しているところでした。
「入ってもいいですか」と尋ねると、
コクリとうなずいてくれたので、中へ。
がらんとしたホールでは、
コーランの朗読かはわかりませんが、
ミャンマー語ではない何語かが
スピーカーから流れていました。
ホールを奥へと進むと、
左手には仕切られたスペースがが。
カーペットが何枚も敷かれていたので、
そこは恐らくお祈りの場所でしょう。
その時間は誰もいなかったけど。
さらに奥に進むと、ありました。
ザファルのお墓(棺)。
棺は地下1階にあるのですが、
棺の上のみ吹き抜けになっていて
1階にいる私たちは、
上から棺を覗き込むようなかたちになります。
王様のお墓を上から覗き込むなんていいのかしら…
棺のまわりには花がたむけられていて、
寄進のためと思われる箱が備えられています。
ここにも、ザファルの紹介パネルがありました。
なんせ上から覗き込むだけしかできないので、
寄進もなにもせず、ただ覗いて、お墓参りは終了。
お墓を見られただけでも大満足だったのですが
モスク内には、ザファルが
ヤンゴン(当時ラングーン)に来てから撮られた
写真パネルが何枚か展示されていました。
共に流刑となった息子たちとの家族写真、
亡くなる直前のお顔。
大国の王であった彼が、
他国で監視下のもと過ごした時間は、
どんなものだったのでしょう。
どんな気持ちで最後を迎えたんでしょう。
ヤンゴンでは仏教系の観光が
メインになると思いますが、
モスクに入れる機会もなかなかありません。
ここでイスラム国王の壮絶な人生に、
思いを馳せてみませんか。
ちなみに私がザファルの存在を知る
きっかけは、こちらのサイト。
バハードゥルシャー勝
インド神話の独学にはじまり、
ヒィンドゥー語習得のためインド留学した管理人さん。
現在はインドの幅広い情報等を日本から発信しています。
深い知識と文章力に脱帽! 特にミャンマーの旅編は、
ミャンマー在住者にとっても勉強になる話が満載です。
おすすめ!
Bahadur Shah Zafar Grave
Ziwaka St., Dagon Towmship, yangon
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