2019年8月10日土曜日

ヤンゴン中華街を歩こう[4]3大廟巡り〜龍山堂 編

天気の良い時には、憩いの場にもなっていました



裕福な一族が先祖を祀った龍山堂


龍山堂は、前記事で書いた「慶福宮」同様、福建省出身の華人によって1877年に建てられました。

ただ、こちらは特定の一族(曾家邱家)によって作られた場所。彼らのルーツである、中国晋朝の王の子孫や祖先を祀っています。訪れる人もまばらで、大抵いつ訪ねてもひっそりとしていますが、見学は自由です。

他2つの廟とは違って比較的小さいですが、それでも一族だけでお堂を建ててしまうなんてすごい。とても裕福な家系だったんでしょうね。

私たちが先日訪ねたときは、先客は地元のおじさんが一人だけ。
ヤンゴンの歴史に興味があって龍山堂に立ち寄ったことを伝えると、なにやら非常に納得してくれて、お堂内を案内してくれました。しかし、オールミャンマー語だったので、ほぼ理解できず… ああ残念!

龍山堂の紹介サイト(英語)によれば、中央から向かって右に福徳聖神、中央に如来菩薩観音、左に祖先が祀られているそうですが、やはり私にはどれがどれかわからずじまいでした。


龍山堂のお堂内

神様はガラスケースに納められており、かつ柵越しで、お顔もよく見えません


曾家と邱家は非常に教育熱心な一族だったそう(客家かな?)。
それがいちばんよくわかるのは、一族の人間がどこどこの大学で学士や修士を取ったと記したプレートです。本堂の隣に併設されたスペースに、ズラリと掲げられていました。上海の复旦大学やイギリスのケンブリッジなど、名門ぞろいです。

一族の子供達に十分な教育を受けさせるべく、龍山堂では教育資金の支援(奨学金制度)を行なっていたとのこと。おそらくその支援を受けて、世界へ羽ばたいた子供たちのものなのでしょう。

誇らしげに掲げられたプレート。

中庭には九龍壁が。慶福宮と同じく、庭を広く設けた作り。

龍山堂は、Anawratha Rd.に面した非常にわかりやすい立地にあるんですが、龍山堂の外壁一面に店が軒を連ねているため、入り口を見つけにくいです。(私は何度も車で通り過ごし、結局この一帯を歩いて探してやっと見つけました…)
行く時は、見逃さないようにご注意を!

入り口が埋もれてしまっている…


3大廟を巡り終えて


中華系の廟って、とても寛容で開かれた印象があります。私が、仏教の影響を多大に受けている日本で生まれ育っているからでしょうか。ここが、特定の神様(信仰)だけを祀るのではなく、多種多様な神様が同居する場所だから、というのも大きいかもしれません。

その寛容さのおかげで、私たちは気軽に見学ができ、見学することで、ヤンゴン中華街の歴史に触れることもできました。私はこれまで華僑っていってもあまりピンと来なかったのですが、今回彼らの軌跡を知ったことで、少し興味がでてきました。(知る機会って大事ですね)

余談ですが、今年11月、絶好のタイミングで広東省(広州)に行けることに。
夫の用事について行くだけなので、実質現地で動けるのはまる2日。しかも幼児連れだから、メインは子供の楽しめるスポット観光になりそうですが、広州の風土と広東語に触れることができるのが嬉しい。楽しみです!

(それはまた番外編で、旅レポートを作ろうと思います)



〈関連記事〉


↓3大廟の地図はこちら




ヤンゴン中華街を歩こう[3]3大廟巡り〜 観音古廟 編



シンプルなレンガ造りの外観とは対照的な、絢爛豪華な内部装飾が印象的。

ヤンゴン中華街最古の廟


1885年、ラングーンが英国領ビルマの首都となった時、現在の中華街エリアには、すでに中国廟が存在していました。それが1824年、広東省の出身者たちによって創設された、観音古廟です。

1824年頃のミャンマー史を見ると、まだマンダレーにはビルマ族のコンバウン王朝があって、マハバンドゥーラ(軍指揮官)がインド進出を目指したがためにイギリスに攻撃されたりしてる時代。その頃からヤンゴンは、渡来人であふれていたのでしょうか。

観音古廟があるのは、中華街のど真ん中。
植民地時代には「広東大街」と呼ばれていたマハバンドゥーラ通りに面し、廟のすぐ脇(20番通り)では早朝から深夜まで食堂や屋台、露天市場が営業する、とても賑やかな場所です。"串焼きストリート”として人気の19番通りからもすぐなので、旅行中でも立ち寄りやすいかもしれません。


マハバンドゥーラ通りに面した、廟の入り口。


観音古廟となりの通りに立ち並ぶ屋台。

以前、「広東大街」一帯は広東人ばかりが住んでいたそう。特に大工や細工職人としてやって来た人が多かったため、観音古廟を創立する際は、彼らの技術を結集し精巧な装飾が施されました。しかし、その後火災や老朽化などで何度も再建され、最近では2002年に大改修が行われたとのこと。



観音古廟内に飾られた、緻密な彫刻。


観音古廟では、観音菩薩航海神の天上聖母(媽祖)、商業神の山西夫子(関羽、商業・職業の神北帝爺などたくさんの神様が祀られています。

今回知ったのは、観音菩薩は人々を苦しみから救うだけでなく、水陸両方の商人を守る神としても信仰されている、ということ。また北帝爺とは玄武大帝(上帝公)を指し、北方位を統括する水の神なのだそうです。大海原を命がけでやって来た人々が、"水”にまつわる神々を非常に大事にしていることが、よく分かりました。

…ただ、実際に祭卓を一つ一つ見て回っても、どれがどの神様かさっぱり検討がつきません。これがわかれば、廟の見学がもっと楽しくなりそうです。



観音古廟の祭卓に鎮座する神様。これも結局なんの神かわからずじまい…

左の、赤い肌に黒ひげは関羽っぽいですよね。



そういえば、廟では運試しのおみくじが引けます(慶福宮、龍山堂にもあった)。私も今回、はじめてトライしました。

竹串のような棒がたくさん入った大きな筒を両手で持ち、上下にジャカジャカ降ったあと、筒を下に傾けます。そうすると何本か飛び出てくるので、その中で一番長く前に突き出た棒を、抜き取ればOK。

その棒を、出入り口付近のカウンターに持って行くと、棒に書かれた番号の紙をもらえました。私のは、これ。

全くわからん…

うーん、ネガティブな漢字があるのであまり良い結果ではなさそう。そばにいたおじさんに見せたら、紙を燃やしてくれました。(悪いのは燃やすみたいです)
おみくじは無料ですが、代わりに線香を買うとか、楽しませてもらったお礼としてほんの気持ちを賽銭箱(寄付ボックス?)に入れるとよいかもしれません。


〈関連記事〉
ヤンゴン中華街を歩こう[4]3大廟巡り〜 龍山堂 編


↓3大廟の地図はこちら