2015年9月27日日曜日

[ヤンゴン百景 14]私なりのダウンタウンの歩き方

ダウンタウンの中心、スーレーパゴダ

ヤンゴンのダウンタウンはつまらない?

ヤンゴンのダウンタウンには、中華系や南アジア系移民をルーツに持つ人々が多く暮らしています。

中華系(福建人や広東人など)…チャイナタウン
南アジア系(インドやバングラデシュなど)…インド人街
等と呼ばれ、ヤンゴン観光スポットのひとつにもなっています。

私がはじめてこのエリアを訪れたとき、観光スポットとして紹介するには、なにかいまひとつ物足りないなあと感じました。

と言うのも、ダウンタウンの中華圏や南アジアの移民たちは、昔からミャンマー(ビルマ)社会と深く混じりあってきた歴史があります。

そのせいか、異文化の匂いをムンムンと放っているわけじゃない。多くの人はロンジー(ミャンマーの国民服、腰巻きスカート)姿だし、通りから聞こえてくるのは大抵ミャンマー語。他国や日本のそれと比べると、ひと目でわかる「インドっぽさ」「中国っぽさ」が薄いなあと、思っていました。

ミャンマーでは、よく菩提樹の下に仏様や土着信仰の精霊を祀っている。
インド人街の菩提樹には、ヒンドゥ教の神様がいました。
ここは「リトル・インディア」だと感じさせてくれる場所。

最近気づいたこと

1年間ヤンゴンで暮らしてみた今、私のダウンタウンに対する見方はちょっと変わりました。

ヤンゴンのダウンタウンを観光スポットとして楽しむなら、「ひと目でわかる中国(インド)っぽさ」を求めるよりも、「こっそり息づく中国(インド)っぽさ」を探してみよう、と。

ダウンタウンの建物の外壁には、建物名とその竣工年が刻まれていることがあります。建物名は、大抵その建物の持ち主やコミュニティの名前がついているので、(分かる人なら)その名前からいろいろなことが推測できるでしょう。

雑貨屋さんをのぞけば、ミャンマー雑貨とともに、街のスーパーでは手に入らない一部のコミュニティの生活必需品が並んでいるかもしれない。レストランのメニューをじっくり観察すれば、(分かる人は)○○国○○地方の影響を受けた料理があることに気づくかも。

ヤンゴンのダウンタウンにはまだ、「チャイナタウン」や「インド人街」ならではの色を全面に押し出した観光向けアピールが少ないんです。

年代物の建物に解説プレートはついていないし、名物料理の詳しい解説メニューを置いてる店もほとんどありません。そうした環境だからこそ、できる楽しみ方があるかもしれません。分かりにくいと感じるか、調べがいがあると感じるか。


英国領時代に建てられた、インド北西部出身のヒンドゥー教徒による建物


ということで、ヤンゴンのチャイナタウンやインド人街は、まだ多くの情報やガイド本が溢れていないぶん、自分なりの新たな発見や気づきを楽しめる場所だと思います。

私といえば、インドに詳しい人の案内がきっかけとなり、インド人街への興味がじわじわとわいてきたところなんです。「こんなところにインドの文化が!?」という発見が面白くて、最近ではひとりじっくり散策しつつ楽しんでいます。

知識がないので詳しいことまでは分からないけれど、街歩きを通して、行ったこともない国がちょっとずつ身近になっていくのが面白い。

私がダウンタウンで出会った“こっそり息づくインドっぽさ”も、これから書いていきたいです。

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