2015年10月31日土曜日

[オーダーメイド]HARICO ハリコ: 日本人経営の仕立て屋さん@ボージョー市場

ミャンマー・ナガ族の刺繍生地が、浴衣の帯に!


ヤンゴン生活をはじめてから
ミャンマーの布に興味が湧いた私。
少しずつ買い集め、
小物を作ったりして楽しんでいます。

それを知った友人が数ヶ月前、
ある日本人女性を紹介してくれました。
ボーヂョー市場で仕立て屋さんを営む、
さやかさんです。

→ヤンゴンの仕立て事情はこちら

ヤンゴン1の人気市場・ボーヂョーマーケットにある、さやかさんのお店

2014年にヤンゴンに来たさやかさんは
私とおなじく、そのときはじめて
ミャンマーの布を知ったわけです。

ところが彼女の場合、
ただ布に惚れ込んだだけでなく、
あっというまに、
自ら仕立て屋をはじめてしまった。
なんて素晴らしい行動力の持ち主!


ボーヂョー市場1階の、
メインストリートから少し離れた場所に
さやかさんのお店「はりこ」はありました。

はじめて来る人には、
ちょっとわかりづらい場所。

そうなんですよね、とさやかさん。
「たまに、偶然通りかかって
寄ってくださる方もいますが、
うちのお店に来る際は、
事前に電話を頂けることが多いんです」

仕立て屋という店柄、
それほど立地は問題ないそう。


さやかさんオススメの生地。ワンピースにぴったりの柄もセレクトしています。
こちらは、レディメイドの男性用ロンジー。買ってすぐ着られて楽チン!

お店にはオーダーのサンプルにと
ロンジーやワンピース数点、
そして、さやかさんオススメの
ミャンマー布が並びます。
レディメイドの男性用ロンジーも
販売していました。

基本的に生地はお客さんの持込みですが
たまに店頭に並ぶサンプルを気に入って
その場で購入することもあるそうです。

現在のところ「はりこ」では
大半が日本人のお客さん。
ヤンゴン地元の仕立て屋では難しい
日本語での細かい注文や、
日本人好みのシンプルなデザインに
出来る限り応えています。

「お客様のご要望があれば、
ここ(市場)の手芸屋さんを
一緒に見て回って、
好みのボタンやビーズを探したり」

そういうことも全部楽しみなのだと
話してくれました。

彼女自身、ロンジーが大好きで、
仕立てては普段から愛用してるそう。
この日のさやかさんは、
モン族の柄のロンジーとエインジー
(ミャンマー伝統ブラウス)。
※写真下

「この柄、とても気に入ってるんです。
小物を作るのにもいいんですよ」
と、同じ柄の財布とポーチを
バッグから取り出し見せてくれました。

店頭にミャンマー布の帯をディスプレイ。

実は私も、このモン族の布
好きなんです(うれしい!)
自宅のタンスに1枚眠ってるので
せっかくだし
ワンピース作ってみようかな、
っていう気になりました。

そしたら、次は
お仕立て体験レポート書きますね。


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[料金]
・ロンジー(ミャンマースカート)
 …15,000チャット〜
・ロンジー+ミャンマーブラウス  
 …30,000チャット〜
・ワンピース  
 …20,000チャット〜

※いずれも通常価格(仕立て期間は2週間程度)
※特急料金別途


[お問合せ]
HARICO はりこ

09-7843-40549
09-9707-29305
10:00〜17:00 月曜定休
木曜、土曜は日本語スタッフ常駐
 →日本語スタッフさん、毎日常駐になりました!

Ground Floor.No 51 west C Block, 
Bogyoke Aung San Market, Yangon
 →場所が、No.38に移転しました!

[オーダーメイド]ヤンゴンで普段着オーダーメイドを楽しもう。

街中の仕立て屋さん。露店も多いです。

日常着の「オーダーメイド」が、
暮らしのなかにある、ミャンマー。

ヤンゴンに住んでみてそのことを知り、
びっくりしました。

とくに女性たちは、
素敵な布を見つけたり、
布を贈られたりすると、
贔屓の仕立て屋さんに持ち込んで
ミャンマーの伝統服「ロンジー」を
つくっています。

オーダーメイドが主流の証拠(?)に
レディメイドの女性用ロンジーって、
ほとんど売ってません。
体型をあまり選ばない、
ヒモで結ぶ巻きスカートのロンジーが
外国人向けに置いてある程度です。


ロンジーとブラウスの色の組合せが
お洒落のポイントです。

街中を歩いていると、
レディメイドの安価な衣類が流通し、
海外の流行ファッションを
楽しむ人であふれています。

でもその一方で「ロンジー」や、
ロンジーと合わせる昔ながらの
シャツやブラウスは、
未だミャンマーで愛されている、
普段着なのだと実感します。

市場やショッピングセンターに行けば
無数の生地屋さんが並び、
ミャンマーの伝統布はもちろん、
タイやインドネシアからやってきた
シルク素材やバティック柄、
海外輸入のモダンプリントまで、
どんな布でもロンジーに変身します。


ロンジーの布(柄)とトップスの布(無地)のセット売りも、よくみかけます


本来のロンジーは、
布の両端を縫い合わせ筒状にしたもので
下半身を筒の部分にとおしたあと、
余り布をお腹の前で結んだり(男性用)
腰の側に折り込んで留める(女性用)
だけの、簡単で機能的な服なんです。

この着方だと、何度も巻き直したり、
留め直したりしなければならないのが、
ちょっと面倒。

街中でいきなりずり落ちちゃうこと、
ないんだろうか…と不安になっていたら、
最近はファスナーやホック付きの、
まさにロングスカートそのもののような
ロンジーを愛用する女性が多いそう。

タイトなロングスカートは、
細身のミャンマー女性に
本当にとてもよく似合います。
で・も!それを美しく着こなすには、
体型にぴったりのサイズでないと
いけません。

そこで仕立て屋さんの出番なのです。


昔ながらのミシンも現役です

それぞれの体型にあうよう作るだけでなく、
ボタンやレース、刺繍などをつけるなど、
自分の好みでアレンジ可能。

仕立て価格はロンジー1着で、
安い店だと3,000チャット(約300円)
くらいからあるようです。

簡単なものなら、
早くて1日で仕上げるサービスもあり
本当にお手軽べんり。

一度サイズを測ってもらった店でなら、
行く度に採寸の必要もありません!
皆さん実に慣れた感じで、
パパッと注文していきます。


仕立て屋さんの壁には、たくさんの注文票が。

民族衣装のオーダーメイドは、
タイやベトナム、中国などでも
旅行客や現地在住者に人気ですが、

ミャンマーほど気軽に楽しめる
民族服のオーダーメイドも
珍しいかもしれません。

ミャンマーに来たら、
ぜひ布選びから楽しんで、
ロンジーを仕立ててみてくださいね!


日本語の通じるオーダーメイドの店
HARICO @ボージョー市場

2015年10月30日金曜日

[ヤンゴン観光]英領時代へと誘うカクテル、ペグークラブ。

特製カクテル「ペグークラブ」。ストランドホテルのバーにて。


ミャンマーの、シンガポール・スリング的カクテル。

突然ですが。シンガポールを訪れる外国人にとって、白亜のラッフルズホテルで「シンガポール・スリング」を味わうことは、旅の大きな楽しみの一つですよね。

到底その知名度には及ばないものの、ここミャンマーはヤンゴンにも、ぜひ味わってもらいたい魅力的なカクテルがあるんです。

その名も「ペグークラブ」。
シンガポール・スリング同様、サボイホテルやストランドホテル等ヤンゴンの一流(?)バーで提供しているカクテルです。そしてその1杯には、とても興味深い歴史ストーリーが秘められていました。



「ペグークラブ」とは。

「ペグー」とは、ヤンゴンの北にある町「バゴー」の植民地時代の呼び名ですが、ネーミングの由来は別にあります。ヤンゴンが英領植民地の首都・ラングーンだった時代に存在した、イギリス人のための社交場「ペグークラブ」です。

1910年頃のペグークラブ。画像:Wikipediaより
画像:ASIAN ARTより

「ペグークラブ」建設には、1852年にイギリスが下ビルマ(現在のヤンゴンやバゴーを含む、ビルマ(現ミャンマー)の南半分)を占領した歴史的背景があります。
(1853年…日本にペリーの黒船来航)

イギリスはヤンゴンをラングーンと改称し、ダウンタウンの整備を進めました。ダウンタウンには、南アジアや中華圏からの商人や労働者が溢れ、その北側に、英国軍の常駐地が広がっていたそうです。1882年、その常駐地だったエリアに「ペグークラブ」は建てられました。

政府高官や軍将校、富裕層が集い、1910年には会員数が350人にものぼります。当時は他に「ジムカーナ」と「ボートクラブ」という社交場があったものの、最も一流とされたのが「ペグークラブ」であり、そこで親しまれていたのがこの特製カクテルでした。



「ペグークラブ」に行ってみよう。

そんな一流クラブの栄華も1930年代末には過去のものとなり、第二次世界大戦中には日本軍が売春宿として使用していた、なんて話もあるとか…。そして今なお、当時の場所にひっそりと佇んでいます。ただ、ただ、もの言わず静かに。そんな果ての姿がよりいっそう、昔ここがどれだけ華やかな場所であったか、想像力を掻き立てる気がします。

ヤンゴンのダウンタウンには、植民地時代の建築物が山のように残っていますが、リノベーションされてるもの、当時のまま使われているもの、立入禁止で今にも朽ち果てそうなもの等いろいろです。

「ペグークラブ」は、確実に「朽ち果てそうなもの」の一つであり、立入禁止になっています。周りのミャンマー人に聞いても、この社交クラブの存在を誰も知りませんでした。ただ面白いのは、建物のすぐそばにあるバス停が「ペグークラブ」と名付けられていることです。タクシーの運転手さんにも、「バスストップなら知ってるよ」と言われました。ロシア大使館の北側にあるので、場所はとても探しやすいです。

GoogleMAPなら、Pegu Club, yangon で検索!
バーのアイコンが表示されてますが、100年近く前に閉店してます…

2015年10月現在のペグークラブ。柵越しでしたが、当時の面影は感じられました




「ペグークラブ」を味わおう。

…長々と書いてきましたが、ヤンゴンのカクテル「ペグ―クラブ」、興味をもって頂けたでしょうか。私の知る限り、このカクテルを提供しているのはストランドホテルとサボイホテルの2軒ですが、他にもありそうですよね。

容赦ないヤンゴンの太陽の下、実際に社交クラブを訪れたあとの冷えたカクテルは、最高に美味しかったですよ!(8割方、雰囲気に酔っていたわけですが…)

他にもストランドホテルでは「バガンブリーズ」や「ラングーンスリング」など、思わず味わってみたくなるネーミングの特製カクテルがあって、観光客としてはうれしい発見でした。ここのバーは本当に居心地がよかったので、ダウンタウン散策のひと休みにもおすすめです。

どうぞ、楽しいヤンゴン観光を!


(2018年12月 追記)
なんとペグークラブが再開発され、イベントスペースとしてオープンしました。何かしらのイベント開催時なら、私たちでも中に入ることができます!

先日、ここを会場に開催されたクリスマスバザーに行って来ました!建物見たさにたっかい入場料を払って。



外観はほぼ当時のまま残されているように感じます。

2015年10月14日水曜日

[ヤンゴン百景 18]熱視線。



ヤンゴンの街中を1人で歩いていると、いつもミャンマー人の男性から凝視されるのはなぜか、考えてみた。勿論、私がけっしてセクシーな格好をしているわけでも、注目されるような美形ってわけでもありません。

むしろ観光客まるだしの、上の絵みたいな格好が私の街歩きスタイル。Tシャツとゆったりパンツ、カメラ(一眼レフ)ぶらさげてふらふら。同じようなひとり旅らしき女性も時々みかけます。


理由1:カメラ?

一昔前なら、一眼レフなんてぶら下げてたら相当警戒されたんだろうなあ。今時のヤンゴン中心部は、立派なカメラを携えた観光客は珍しくない。でも、一眼レフ=報道(メディア)って印象はあるかもしれない。
そういえば、ミャンマー人の知り合いと街を歩いていた時も、彼の望遠レンズ付きのカメラは結構注目されてたっけ。


理由2:女性1人旅?

この国でミャンマー人女性が「ひとりで観光しに行く」なんて、ゼロに等しい。「なんでこの外国人は1人で来たんだ?」っていう素朴な疑問から、ついつい目で追ってしまうのかもしれない。場所によっては「いい客(カモ)がきたぞ」と思われてるかもしれません。

で、凝視してくるのはなぜ男性かといえば、道行く人々を路上の喫茶店なんかで観察してる(ぼうっと見てる)のは、大半が男性だからかも。(ミャンマーのローカル喫茶店は男性客しかいないから、利用しづらいんだよな)

同じ外国人でも男性だったら、こんなに視線をあびることはないんだろうか。いずれにしても、相手に警戒されるような紛らわしい行動をしないよう、気をつけようっと。

2015年10月10日土曜日

[ヤンゴン百景 17]ヤンゴンに寄港中の、図書館船を見に行く。

図書館船への入場を待つ、行列。これひと目みて、断念…


ヤンゴンに図書館船がやって来た。

私はここ最近、毎週土曜にミャンマー語レッスンを受けている。
今日も朝10時からのマンツーマン授業を終え、帰り支度しつつおしゃべりしていたら、先生が意外なことを言い出した。今日の午後は船を観に行くの、と。

「ヤンゴンの港に、いま図書館の船が来てるって知ってる? 中で自由に本が読めて、買うこともできるの。その船にはたくさんのボランティアが乗ってて、世界中を航海してるんだって。」

彼女はクリスチャンなのだが、彼女の通う教会に船の関係者がやって来て、ぜひ遊びに来て下さいと宣伝していったそう。

世界を廻る図書館の船。面白いものがあるんだなあ。本には興味がないけれど、船は見てみたい。停泊地は、ダウンタウンの南を流れるヤンゴン川沿い、アローン港。現在地からそれほど遠くなかったので行くことにした。



船がない。

先生の自宅があるチャイナタウンから徒歩10分程と聞き、まずはバスで先生の自宅近くまで一緒に移動した。ヤンゴン川に沿って伸びるコンテ通りを西に走り、8番通り付近で下車。先生はいったん家に戻るので、そこから1人、コンテ通りをさらに西へ歩いた。

しばらくすると、確かに、港っぽいものが見えた。でも人の気配がない。港の一般開放すらしてなさそうな…なんだか重々しい雰囲気。あれ?間違ってる?

きょろきょろしていたら、「図書館の船を見に来たのか」とタクシーの運転手さんに声をかけられた。「ここにはもう船はないよ。もっと西のほうの港に移動したんだ」。

ここで諦めるのも悔しかったので、タクシーで1,500チャットで行ける場所と言われ、乗ることにした。(何台もタクシー停まってたから、私みたいな客を待ってたのかも。笑)



大盛況だった。

5分後に到着。細い路地で降ろされると、確かにたくさんの人が行き交っている。そこを通り抜けた瞬間目に飛び込んできた光景は、上の写真のとおり。終わりの見えない長い長い行列だった。

とても並ぶ気にはなれず、一瞬で入場を断念。家庭教師の先生に電話し、港が変わったことと、行列の状況を報告し、その場を去った。

帰宅して船のことをネット検索してみたら、実際に船中に入った日本人の方を発見。ヤンゴンで日本語学校を経営している方のブログで、図書館の様子など詳しくレポートしてくれている。外同様、中も相当な混み具合だったようで…。とても興味深い記事だったので、中の様子が気になる人はのぞいてみてくださいね。

洋上図書館「ロゴス・ホープ」がヤンゴン港に到着

「ミャンマー・日本語教室ブログ」より


2時間半の、徒歩の冒険。

せっかくダウンタウンの南端まで来たので、運動不足の解消がてら、歩けるところまで行ってみようと思い立つ。現在地は、ダウンタウンのカンナー通りとチーミンダインカンナー通りが切り替わるあたり。

そこからずっとまっすぐ北上し、よくわからない道で右折。昔ながらの住居や軒を連ねるエリアに入った。「チーミンダインはヤンゴンの下町」と呼ばれている。途中で線路を横断し、さらに北上すると、バーガヤー通りという見慣れた道の看板が現れた。
チーミンダインカンナー通りにある、ティリミンガラ市場の元建物。
ティリミンガラ市場はヤンゴン最大の生鮮市場で、現在はここからもっと北上したところにある。

バーガヤー通りを東に進むと、サンチャウンエリア。若者向けの小さなショップが道沿いに並ぶ。私は最近、ヤンゴンで「インドなもの」探しにハマっている。この並びの店で、チェンナイ(昔のマドラス、南インドの都市)産の生地を発見し興奮。
大型ファンシーショップ「SPIRITS」。ミャンマーの若者の嗜好は、ここでチェックできそう。
カラーコンタクトが250円/枚で売ってた。恐怖…

これらの店を横目に歩き続けると、ミニゴンという巨大交差点に突き当たる。ここはひどい渋滞ポイントのひとつだったけれど、最近ジャンクションができて快適になった。ダマゼディ通りとぶつかるあたりで、お腹が空いたこともあり街歩き終了。あと30分頑張れば家に着く予定だったけど、タクシーに乗って帰宅。

予想よりも遠くまで歩けた。にしても、あちこちで道の掘り返し(工事?)をしていて、とっても歩きにくいし、なにより危険。きょろきょろしてたら穴に落ちそう。
それが残念。