2019年4月28日日曜日

植民地時代の写真を買いました。

リビングには合わない気がして、寝室の向かいの壁に。


写真「The long, long Burmese day」


ミャンマー新年の連休前に、一枚の写真を買いました。
お茶屋さんなのかギャラリーなのか謎の場所、「The tea factory」で開催された、Yangon zayというイベントに足を運んだときのことです。

建物2階にあがってみると、かなり高価でゴージャスなインテリアショップになっていて、その一角に、たくさんの古い写真が飾られていました。大半はミャンマーが英国領ビルマだった頃のもので、当時の王族や市民、踊り子などの人物写真に建築物、パゴダなど。

どれも非常に美しく撮影されていて、魅力的なものばかり。本来の目的のイベントよりも、写真を見てまわるほうに専念してしまいました。フレーム付きで1枚45ドル〜。私でも思い切れば買える価格にかなり悩みましたが、結局この日は思いとどまりました。


それでもやっぱり欲しくなり、再び訪れて購入したのが、上の写真です。1891年に撮影された、「The long, long Burmese day」というタイトルの一枚。人生で初めて買った写真!
イギリス人が椅子で思いのままにくつろいでおり、インド系(?)の召使いが彼らをうちわで扇いでいるというもの。飼い犬たちも、ご主人様の傍で昼寝しています。

撮影された1891年は、ラングーンが英国領ビルマの首都となって5年が経ち、すでにインドからの労働者が街にあふれていた頃。カンドーヂ湖とインヤ湖の北側に裕福な住宅街が形成され、軍人や富裕層の社交場「ペグークラブ」も出来ていました。

一見のどかな写真だけれど、その時代背景にも思いを巡らさずにはいられません。きっとこの先日本に帰国しても、これを見るたびに、ミャンマーの歴史を思い返すのではないかなあと。



ジョージ・オーウェルの小説「ビルマの日々」


少し前、ヤンゴンの日本人会図書室で、ジョージ・オーウェルの小説「ビルマの日々」(日本語訳版)をみつけて読んだのも、この写真を買った動機のひとつかもしれません。

社会に出てからあまり読書をしなくなった私。彼が有名な作家とは知らなかった…。

1903年、英領インドのベンガルで生まれたオーウェルは、1922年にマンダレーのインド警察訓練所に入所し、ビルマ各地で勤務しました。1927年にイギリスへ帰国後、警察を辞めて作家活動を開始。1934年に「ビルマの日々」を出版。その後、彼の代表作となる「動物農場」「1984年」などを出版。1950年、46歳で亡くなったそうです。

小説「ビルマの日々」は、ヤンゴンが舞台。植民地下のビルマに赴任し、ダウンタウンのKyauktada(チャウタダ地区に暮らすイギリス人男性が主人公です。物語自体はとても暗いですが、当時の人々の生活や街の様子が所々で描写されているのが興味深かった。もしヤンゴンに住んでいて読んだことがないなら、ぜひこっちにいるうちに!

(追記:このブログを読んだ方から教えていただきました。小説の舞台となっているチャウタダは、実際のヤンゴンのチャウタダとは別物で、架空の場所なのだそうです。そして、ヤンゴンでもないそう(そういえば、ラングーンだという表記はありませんでした…))


主人公の男性は犬を飼っていたこともあり、私は「The long, long Burmese day」の写真を初めて見た時、この小説をモチーフに撮影されたものなんじゃないかと考えました。
しかし、写真に付記された情報が正しければ、1891年の撮影なので、小説の出版よりだいぶ前(作者すら生まれてない)。双方の関連性はわかりませんが、私は小説を読んで間もない時にこの写真と出会ったため、ちょっとした運命を感じたのでした。 

「The tea factory」で売られていた写真は、「Art prints Myanmar」というサイトで購入できるようです。
写真以外にも、昔の地図やイラストレーションなどかなり種類が豊富!自分の職場や自宅のあるエリアが当時の写真で残っていたら、ラッキーですよね。


Art prints Myanmar

https://sites.google.com/site/artprintsmyanmar/


余談ですが、ヤンゴンのサヴォイ・ホテルの館内に、とても美しい熱帯植物画が飾られています。ホテル1階のトイレ傍にあるのですが、いつもここを通るたび、素敵だなあと思っていました。それがなんと、このサイトの商品に同じものを発見。うれしい!

どれを買おうかじっくり考えて、帰国前に手に入れる予定。
ここでは素晴らしい制作物がたくさん閲覧できるので、ネットで見るだけでも楽しいです。興味がある方は、ぜひのぞいてみてください。


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