2015年11月3日火曜日

【美容】ミャンマーのタナカ: (インタビュー)一般家庭での使われ方。編

ときは2014年6月。
ミャンマー出発前に1カ月だけ通った、東京のミャンマー語学校でのこと。

私は当時知ったばかりの「タナカ」というものについて、ヤンゴン出身の先生(女性)に
質問してみたんです。すると、とても興味深い話を聞かせてくれたのでした。

私 :
先生、ヤンゴンでも「タナカ」を使いますか?

先生:
使いますよ。でも、外に出るときにはつけない人も多いです。

私 :
それは世代によって?

先生:
うーん、若い人に多いですね。
やはりお化粧をしたり今時の格好をして外出の時は、タナカは似合いませんから。
おばあさん世代だったら、外出するときもタナカをつけてる人もいます。

私 :タナカは、女性がするものなんですね。

先生:
そうですね。でも、家の中だと、男性もすることはあります。

私 :へー。

先生:
「タナカ」は日焼け止めでもあるし、スキンケアでもあるんです。
樹をすりつぶしたものに水を加えて作りますが、肌に塗ると、スーッとして気持ちいい。
だから、帰宅すると「タナカ」を塗って、肌をリラックスさせるんですよ。
ただ、男性は恥ずかしがって、あまりおおっぴらに塗ったりはしませんね。

「タナカ」にはいろんな種類があるんです。香りもちがうし、顔とからだで使い分けたり。

私 :
それはパックするみたいに、何分間くらい塗って落とす、というのはあるんですか?

先生:
「タナカ」は植物と水のみなので、どれくらいつけていても平気。
塗ったまま寝る人もいます。

私 :へー。

先生:
「タナカ」をすりつぶすのに使う石「チャウピン」は、女性がいるミャンマー家庭なら必ず置いてあると思います。
日本に住むミャンマー人の中にはわざわざミャンマーから「チャウピン」を持ってきて、自宅ですり潰す人もいるくらい。

「タナカ」は自分で作る以外に、固形状で箱に入って売られているものもあります。
水で溶かして使うのですが、自分で作るものとは違って、日持ちがするんです。
だから旅行の際には、これを持ち運ぶ人もいます。

私 :
日持ちするってことは、それには防腐剤などの化学物質が入っているんですよね。

先生:
そうなんです。だから私はあまり好きじゃない。自然のものではないから。

私 :
固形状のものを使うなら、私達が使ってる日焼け止めと大差ないですね。

先生:はい。

私 :
ヤンゴンでも、日本で使っているような日焼け止めクリームはあります?

先生:
ありますよ。売っています。でも高いです。「タナカ」のほうがずっと安い。

私 :
そうか。高いんですね。
子どもは「タナカ」を塗って登校したりするんですか?

先生:
はい。する子もいますよ。
母親が、子どものほっぺたにまるーく塗るんです。
そして、コームのさきっちょでちょんちょん、とやる。
   
私 :かわいい!

先生:
そうそう。すごく可愛いの。

私 :
ほっぺに模様をかくんですね。おしゃれ〜。

先生:
私は4人きょうだいなんですが、昔は弟の面倒をよくみていました。
彼はお風呂からあがったとき、「ん」と、ほっぺを私に突き出してましたよ。
「おねえちゃんタナカ塗って〜」って合図。

私 :
想像しただけでキュンキュンする…。

先生:
当時は本当にかわいかったの(笑)
ミャンマーに行ったら、ぜひ「チャウピン」で「タナカ」を作ってみてね。

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