2015年9月28日月曜日

[ヤンゴン百景 15]喫茶店とミルクティーの文化。

ヤンゴン市内の一般的なラペッイエサイン(喫茶店)


ミャンマーの昔ながらの喫茶店、「ラペッイエサイン」。ここは庶民の憩いの場であり、仕事の場(後述)でもあるようです。

ラペッは茶葉。イエは水。サインは店のこと。
私は最初、「ラペッイエ」は単純にお茶のことを指すのだと思っていたら、そうじゃなかった。ラペッイエって、ミルクティーを指す言葉なんだそう。

喫茶店をのぞいてみると、確かにミルクティを飲んでいる人が圧倒的に多いです。普段コーヒー派で、ブラック党の私もためしに飲んでみました。あまりの甘さに脳みそがキーンとなった…。

ミャンマーのミルクティは、茶葉をやかんの中で煮出し、たっぷりの砂糖とコンデンスミルクとともに頂きます。そう、牛乳じゃなくて練乳。これでもかってくらい、甘くするんです。
(2018年9月追記:たまたまネットで、大和総研が平成25年に作成した「タイ・ベトナム・ミャンマーにおける食品市場環境調査報告書」PDFを読んだのですが、そこには「ミャンマーでは牛乳の流通が難しいため、コンデンスミルクに加工している」といった旨の紹介がありました。だから紅茶にも、コンデンスミルクが主流なのかもなあ。)

人気店になると、おっきなやかんが何個もずらり。

一日で空になる練乳缶がこんなに…

よく、暑い土地では疲れをとるために甘いものを摂ると聞きます。以前、本で読んだのですが、東洋医学では食物を陰性(身体を冷やす)と陽性(身体を温める)で分けるそう。
砂糖は、極陰性。ミャンマーの人々も暮らしの知恵として、砂糖をたくさん摂ることで身体を冷やしているのかもしれません。

また、喫茶店の各テーブルには、よくお茶請けの菓子や軽食が置かれています。自分が食べたぶんだけ払うシステムで、菓子パンやインドのサモサ、中国の肉まんに似た饅頭など、その種類は実にさまざま。どれもかなり重量感のある食べ物ばかり。ここだけで相当なカロリーが摂れそうです。


ラペッイエとお茶請けの月餅。
まさかの激甘コンビに、想像するだけでクラクラ…

ちなみに、こういう昔ながらの喫茶店の客はなぜか大半が男性。女性ひとりで店にいる姿はほとんど見かけません。一説では、喫茶店は男性が仕事の話をするときによく利用するそうで。ラペッイエサインは昼夜問わず、いつもにぎわっています。

女性でもひとりで楽しめるラペッイエサインのことは、また次回。

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