2015年6月17日水曜日

[ヤンゴン百景 8]同居人イモリについての考察。



ミャンマーに来た当初、
夜になるとどこからか

チッチッチッチッ…

鳴き声が聞こえてくるので、
ずっと外の鳥が鳴いているのだと思っていた。


ある日、
日本人の知人とレストランで食事していたとき、
またあの鳴き声が聞こえてきた。

すると知人が、
「あれはヤモリですよ」とニッコリ。

びっくりした。
ヤモリがあんなに大きな声で鳴くなんて。

時々、ヤンゴン在住日本人との話の中でも、
ヤモリのことは話題になる。

彼らのことを悪く言う人に、会ったことがない。

見た目はトカゲやヤモリと変わらないのに、
なぜだろう?

子どもの頃、ヤモリが遊び道具だったわたしにとっては、
イモリも同様に怖くないし、気持ち悪いとも思わない。
でも、両生類やは虫類が苦手な人にとっては、
家の中に何匹もヤモリがいるって、
けっこうツラいんじゃないだろうか。



しばらくヤモリと同居してみて思ったのは、
彼らは、人間と同居する術を心得ているということだ。

もちろん、
「家の害虫を食べてくれる存在」として
広く知られているのは大きいと思う。

でもそれ以上に、
人間との距離の取り方がうまく、
人間を不快にさせない方法を知っている。

わたしがそう感じる理由としては、次のようなことがある。


家の中を徘徊しているからには、
そこにいるエサ(虫)を捕って食べているはずなのに、
その姿を見せたことがない。
(わたしがたまたま見かけないだけかも知れないけど)


人間が怖がらない距離間(天井等)で、姿をみせる。


その動きから、何も考えていないように見える。
(姿を見せるときは、大抵じっとして動かない。
 こちらがヤモリに近づこうとすると、
 ささっと逃げて攻撃しようとはしない)


姿は見せないけれど、時々鳴いて
「ここにいるよ」アピールをする。
(姿が見えないと気になる。
 時々鳴き声が聞こえると、何だか安心する)


鳴き声がは虫類らしくない。


色が白い。
(白ヘビとか白ゾウとか、
 白いとなんだか有り難いもののように感じる)


など。


でも、そんなヤモリたちも、
ごくたまに、想像もつかない登場の仕方をして、
私たちの心臓を止めそうになる時がある。

夫の場合は、
窓の開閉ハンドルを握ったと同時に、
窓に隠れていたヤモリが、足下にポトッ。


私の場合、
トイレにてホルダーのペーパーをひっぱった瞬間、
トイレットペーパーと一緒にヤモリが飛び出してきた。

しかも、ポトッと落ちるのではなく、本当に飛んだのだ。
ホルダーから、トイレの出入口ドアまでひとっ飛びし、
こちらが白目をむいてる間に消え去った。

あとから考えてみると、
この時わたしのほうに飛んできていたら、
トラウマになってヤモリ嫌いになってたかもしれない。


明後日の方向に飛んでくれたのは、
もしかしたら、計算の上でのことなのかしら。

何も考えていないようにみえても、
実はけっこう、同居人に気を使っていたりして。

0 件のコメント:

コメントを投稿